わんにゃほ~編集チームがSohey先生と出会ったのは、X(旧Twitter)です。
獣医の先生を探しているとき、犬猫に関する相談をDMで受け付けていたり、雑学を発信されているのを拝見して、「この人だ!」と感じました。
獣医17年目で、現在は一次病院夜間診療に従事されています。
夜間なので、救急の犬・猫をたくさん診てきている中で、治療費に驚く飼い主さん、費用がネックになり、泣く泣く治療を諦める飼い主さんと接してこられています。
そういった経験をもとに、このわんにゃほ~の記事監修をしていただきました。
獣医という仕事への想いを、お話させてください。
犬も猫も、人と同様で、一定の割合でどうしても病気になってしまうことや、どうやっても治癒できない病気や病態があります。
臨床現場の獣医師としては、治せる可能性のある病気や病態に対しては全力で立ち向かい、なるべく早期に治癒できるよう尽くすべきだと考えております。
そのためにも、最新の知識のアップデートを行う必要もあります。
それと同時に、コミュニケーションの重要性を日々痛感しています。
救急病院の現場では、「生きる死ぬ」のギリギリの状態で来院する症例は非常に多く、ほとんどの飼い主様は動揺し冷静さを失っています。
現在の状況について、いま自分がどのように考えているか、今後どのようにしていきたいかを、いかに簡潔にお伝えするかが非常に重要だからです。
長年の経験で、飼い主様によって伝え方を変えられるようになったことは、自分にとってはとても大事なことです。
なぜなら、誤解を恐れずに言えば、獣医療を駆使したコミュニケーションを生業とする職業、というのが臨床獣医というものの本質であると考えているからです。
もちろん未病という、病気にならない・なりにくい状態となるよう、それを啓蒙することが非常に大事ではあるのですが(例えばワクチン接種など)、上に書いた通り、どうしても避けられない病気はあります。
なってしまった際に、飼い主様自身が最初から冷静に病気に対応できれば、発見や診断が遅れて悪化してしまうリスクが少なくなるのは明らか。
また、適切に病院を受診していても、残念ながら受け入れがたい診断結果になることもあるでしょう。
そのような時に、いかに飼い主様へ寄り添って、ともに戦う姿勢を見せるか、つらい事実に対し共感するか、これが現場で大事にすべきことと認識しています。