「ペット保険に入るべきか」 をとことん考えるサイト| わんにゃほ~ » 獣医&保険のプロがとことん答える 「猫の保険は入るべき?」 » 猫の認知症について

猫の認知症について

こちらの記事では、猫の認知症について解説しています。どのような症状が見られるのか、発症する原因や予防方法、発症した場合の注意点などをまとめていますので、猫を飼っている方はぜひ参考にしてみてください。

猫の認知症とは

猫も人間と同じように、脳の認知機能の低下が原因と思われる症状が見られる場合があります。10歳を過ぎがあたりから認知機能の低下が見られるようになるともいわれており、認知症を発症するといつもと異なる行動をとるなどの症状が見られるようになります。

猫の認知症の主な症状

猫がいつもと違う行動をしていたり、変わった行動をしていたりする場合には、認知症が疑われることがあります。具体的には、下記のような症状が見られます。

例えば夜中にうろうろと歩き回ったり落ち着きがない、これまでは夜鳴きをすることはなかったのに急に夜鳴きをする容易になったなど、変化が見られる場合には注意したほうが良いでしょう。また、今までトイレの場所がわからなくなってしまい失敗するといったケースもあります。

このような症状など気になることがある場合には、早めに動物病院を受診するようにしてください。

猫の認知症の原因

猫が認知症を発症する原因として多いとされているのが、老化による脳の衰えですが、中には人間と同様にアルツハイマー病と同じような脳変化を起こすケースもあるといわれています。そのほか、脳出血や脳梗塞などの脳疾患による影響で認知症を発症するケースもあります。

猫の認知症の予防方法

猫の認知症の予防方法には、下記のようなものが挙げられます。

適度な刺激を与えることで脳の活性化

例えば、おもちゃで一緒に遊んだり、飼い主から頻繁に話しかけることによって脳が活性化されるため、認知症の予防につながるとされています。この時のポイントとしては、しっかりと猫と目を合わせて話しかける、遊ぶときに使うおもちゃは日替わりにするといった工夫によって、より刺激を与えられるでしょう。

ストレスのない生活ができる環境づくり

できる限りストレスのない生活を送ることも、認知症の予防につながると考えられます。ストレスを受けてしまうと脳の血流が悪化したり、脳内へ酸化物質が蓄積するといった状態になってしまい、認知症の原因になることがあるとされています。

猫にストレスを溜めない生活を送ってもらうためにも、適度な運動ができるように工夫する、また本能を満たせる環境や衛生面を整えるといった対策が必要といえるでしょう。さらに、適度に日光浴を行うことによって、脳内のセロトニンの分泌を促せるため、認知症の予防につながると考えられています。

また、人や犬に対してストレスを和らげる目的でアロマテラピーを行うケースがありますが、この時に使用する精油は猫にとって中毒を起こす危険があります。そのため、猫に対してはアロマテラピーを行わないようにしてください。

バランスの良い食事を心がける

バランスの取れた食事は認知症予防の観点からも大切なポイントといえます。特に、認知機能に関わるとされているのがDHAやEPA、中鎖脂肪酸、フラボノイドなどであるといわれています。これらはシニア向けのキャットフードやサプリメントを利用することで摂取が可能です。しかしサプリメントの効果についてはまだ研究途中でわかっていない内容も多いため、ひとまず獣医師に相談した上での利用がおすすめです。

認知症になってしまった際の注意点

もし、猫が認知症になった場合には、下記のような注意点が挙げられます。

適度な運動と日光浴を心がける

適度な運動をしたり、日光浴を行ったりすることによってセロトニンの分泌を促せます。セロトニンが不足すると、落ち着きがなくなる、攻撃的になる、強い不安を感じるといったことも。人間のうつ病治療を行う場合にもセロトニンの量を増やす働きを持つ薬が使われるケースがありますが、猫の場合にも認知症の症状を和らげるために使用されるケースもあります。

そのため、暗い室内で寝ていることが多い猫の場合は、一緒に遊んだり日向ぼっこをさせてあげるなど、セロトニンの分泌が促されるように工夫すると良いでしょう。

夜鳴きへの対策

これまでは夜鳴きをしなかった猫が、認知症になってから夜鳴きや無駄鳴きをするようになる場合もあります。認知症以外に原因が見つからないような時には、猫が安眠できる環境を探していくことが必要になるかもしれません。

例えば視力や聴力が衰えてしまったために不安を感じている場合には、夜間も電気をつけておくことで不安を和らげられるケースもあります。また、夜間にお腹が空いてしまう・食事をしたことを忘れてしまうなどの場合には、食事の時間を調整したり、自動給餌器などを使用することで夜鳴きが解決するケースもあるようです。

ただし、無駄鳴きは家族だけでは解決が難しいケースが多い上に、家族も夜寝られなくなるなどの支障が出てくることも。その場合には動物病院に相談すると良いでしょう。

トイレの失敗への対策をする

認知症を発症した場合には、トイレを失敗することも多くなります。そのため、猫が普段寝ているところの近くにトイレを設置する、ふちが低くなっているトイレを設置するなど、できるだけ失敗しないような工夫をすると良いでしょう。

ただし、トイレの場所などトイレ環境の変化に対して強いストレスを感じてしまう猫もいるため、今まで使っていたトイレは撤去せずそのままにし、別のトイレを追加するのがおすすめです。また、トイレはこまめに掃除をして、いつも清潔な状態で使えるようにしておくこともポイントです。

気になったら病院を受診しましょう

こちらの記事では、猫の認知症について解説してきました。もし気になる症状がある、いつもと異なる行動をとるようになった、といった場合には、早めに動物病院を受診することが大切であるといえます。

猫と暮らしていると、今回解説してきた認知症以外にも動物病院を受診する機会は多くあります。病院を受診する時に備えるためにも、早いうちにペット保険への加入を検討しておくことがおすすめです。

Supervisor
サイト監修者ご紹介
   
Sohey先生
Sohey先生
           
         

獣医歴17年。現在は夜間診療の獣医として活躍する傍ら、Xで飼い主さんたちの悩みに回答してくれています。

Sohey先生のXを見る

サイト制作・
運営会社
       

ニッチトップのマーケティングと海外人材事業を軸にするZenken(ゼンケン)株式会社が制作・運営を行っています。
この「わんにゃほ〜」は、ペット保険の加入に悩む飼い主さんのために、保険のプロと獣医という、違う立場の専門家の意見をまとめ、飼い主さんたちが納得して判断ができるようなメディアを目指して制作いたしました。
少しでもみなさんの力になれることを願っています。